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【実践レポ】AIに指示するだけで名簿が完成!Gemini CLIとExcel MCPサーバーでExcel業務を自動化してみた

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「【実践レポ】AIに指示するだけで名簿が完成!Gemini CLIとExcel MCPサーバーでExcel業務を自動化してみたのサムネイル画像

はじめに

「この名簿にある生年月日から今日までに年齢を計算してくれる?」
「このリスト、住所から都道府県だけ抜き出してくれる?」

日々の業務で発生する、こうしたExcelを使った手作業。便利だけれど、地味に時間がかかってしまう…そんな経験はありませんか?

先日、技術者向け情報共有サービスZennで、そんなExcel作業の常識を覆すような記事「Excel手作業終了のお知らせ!Gemini CLI + MCPでExcel生成時代到来」を見つけました。

この記事で紹介されていたのが、GoogleのAI「Gemini」と、ローカルPC上のExcelを直接操作できる「excel-mcp-server」というツールを連携させる技術です。

これは試してみるしかない!
今回は、この記事を参考にセットアップを行い、実際にAIとの“会話”だけで名簿を作成するまでを実践してみました。

AIとExcelを繋ぐ通信ルールexcel-mcp-server

今回の自動化の要となるツールです。

Gemini CLI

Googleの高性能AI「Gemini」を、コマンドライン(黒い画面)から対話形式で利用できるツールです。まるでチャットするようにAIに指示を出せます。

excel-mcp-server

Gemini CLIからの指示を受け取り、PC上のExcelファイルを安全に操作してくれるサーバーツールです。

このMCPとは、開発者のGitHubによると「Model Context Protocol」の略称とのこと。AIモデルがExcelの文脈(コンテキスト)を理解し、操作するための通信ルール(プロトコル)、といったところでしょうか。

最大のポイントは、この仕組みがインターネット上のサーバーではなく、自分のPC内で完結して動作するという点です。会社の機密情報や個人情報を含むExcelファイルを外部に送信することなく、AIの力を借りて安全に自動化できるのは、非常に大きなメリットと言えるでしょう。

【実践】プロンプト指示だけで名簿を作ってみた

Step 1:生年月日から年齢を計算! DATEDIFはAIにおまかせ

最初に、名簿の基礎となる「年齢」を計算させてみます。

生年月日から年齢を計算する指示をターミナルで実行した様子
ターミナルで実行した様子

新規のエクセルファイルを作成してA1からA10に適当な生年月日を入力して、B1からB10に現在までのその年齢を計算したものを作って保存してください。

承知いたしました。新しいExcelファイル age_calculation.xlsx を作成し、…それぞれの年齢を計算する数式を入力します。

Applied formula ‘=DATEDIF(A1, TODAY(), “Y”)’ to cell B1
Applied formula ‘=DATEDIF(A2, TODAY(), “Y”)’ to cell B2

生年月日と年齢が表示されたExcelのイメージ
実際にできたExcelファイル

私が「年齢を計算して」とお願いしただけで、AIアシスタントはDATEDIFという最適な関数を判断し、excel-mcp-serverを通じてファイルを作成、数式を書き込んでくれました。関数の知識は不要です。

Step 2:Web検索も自動!郵便番号から住所を一括入力

次に、外部の情報を元にした入力を試みます。

郵便番号から住所を作成する指示をターミナルで実行した様子
ターミナルで実行した様子

続けてC1からC10に適当な郵便番号を入力してD1からD10にそれに該当する住所を入力してください。

はい、承知いたしました。
日本の郵便番号とそれに対応する住所を検索し、age_calculation.xlsx ファイルのC列とD列にそれぞれ入力します。

✔ GoogleSearch Searching the web for: “日本の郵便番号と住所の例 10件”

age_calculation.xlsxへの書き込み中にエラーが発生しました。ファイルが他のプログラムで開かれている可能性があるため、書き込みが
できませんでした。

お手数ですが、C:/Users/…../age_calculation.xlsx
を一度閉じていただけますでしょうか。ファイルを閉じていただきましたら、再度書き込みを試みます。

実はこの時、私がファイルを開きっぱなしにしていたため、書き込みエラーが発生。するとAIは的確にエラーの原因を指摘し、私にファイルを閉じるよう促してくれました。

ファイルの書き込みができないで、閉じたのち再度書き込みをトライする様子
ターミナルで実行した様子

とじました

ありがとうございます。再度、郵便番号と住所の書き込みを試みます。
✔ write_data_to_excel (excel-server MCP Server) {“sheet_name”:”Sheet”,”filepath”:”C:/Users/…./age_cal…

Data written to Sheet
✔ write_data_to_excel (excel-server MCP Server) {“data”:[[“東京都千代田区丸の内2-7-2”],[“東京都新宿区西新宿2-8-1”],[“大阪府…
Data written to Sheet

age_calculation.xlsx ファイルに郵便番号と住所を書き込みました。

郵便番号と住所が表示されたExcelのイメージ
実際にできたExcelファイル

AIは自らWebで情報を検索し、その結果をローカルのExcelファイルに書き込んでくれました。Excel内部の操作だけでなく、外部からの情報収集もシームレスに連携してくれます。

Step 3:面倒な住所分割(都道府県・市区町村の分割)も一瞬で!

最後は、多くの人が一度は苦労したであろう「住所分割」です。

住所の分割の指示をターミナルで実行している様子
ターミナルで実行した様子

続けてE1からE10に都道府県、F1からF10に市区町村、G1からG10にそれ以外を入力してください

はい、承知いたしました。D列の住所を「都道府県」「市区町村」「それ以降」の3つに分割し、それぞれE列、F列、G列に書き込みます。

都道府県・市区町村・それ以外で住所が分割できた様子
実際にできたExcelファイル

従来、LEFTやFINDといった関数を駆使していた複雑な作業が、日本語の指示一発で完了しました。まさに圧巻です。

まとめ:さようなら「Excel職人」。こんにちは「AI活用時代」

Gemini CLIとexcel-mcp-serverの連携は、想像以上の可能性を秘めていました。

主な要点
  • ローカルで動く安全性: 機密情報を扱う業務でも、Model Context Protocolを通じて安全にAIと連携できる。
  • 圧倒的な手軽さ: やりたいことを“言葉”で伝えるだけで、複雑な作業が完了する。
  • スキルの再定義: 求められるのは、関数の暗記ではなく「AIへの的確な指示能力」。

これからは、私たち人間は「何をしたいか」という本質的な部分に集中し、面倒な「どうやるか」はAIに任せる。そんな新しい働き方が当たり前になっていくでしょう。

あなたも、もう「Excel職人」になる必要はありません。AIという頼れるパートナーと共に、創造的な仕事の扉を開いてみてはいかがでしょうか。

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