目次
はじめに
QRコードは、チラシやポスター、名刺の印刷物など、オフラインでの導線づくりに欠かせないツールです。
しかし、QRコードを設置しても「実際にどれくらいアクセスされたのか」「どの媒体が効果的だったのか」までは分からないことが多いのではないでしょうか?
そんなときに活用したいのが「アクセス解析ができるQRコード」。
URLに少し工夫を加えるだけで、Google アナリティクスを使って効果測定が可能になります。
この記事では、無料ツールを活用して誰でもできる「解析可能なQRコード」の作成方法を解説します。
QRコードは便利だけど、作って終わりになっていませんか?
QRコードは作成後、効果測定をすることで、その真価を発揮します。効果測定をせずにQRコードを放置してしまうのは、非常にもったいない状態です。
- 改善点の発見が遅れる
- 費用対効果が見えない
- 無駄な施策の継続
これらのリスクを回避するためにも、QRコードの効果測定は重要です。せっかく作成したQRコード、効果測定まで行い、その効果を最大限に引き出しましょう。
「アクセス解析できるQRコード」を作れば、効果測定が可能になります。
アクセス解析できるQRコードを作れば、効果測定が可能になります。
QRコードは作って終わりではなく、効果測定を行うことで、より効果的なマーケティング施策に繋げられます。
アクセス解析を行うことで、どの媒体からのアクセスが多いのか、どのキャンペーンが効果的なのかを把握できます。
効果測定でわかることは以下の通りです。
- アクセス数
- アクセス元の媒体
- キャンペーン効果
- ユーザーの行動
これらの情報を分析することで、費用対効果の高い施策を見つけ出し、改善に繋げることができます。
効果測定されたデータは、今後の戦略を立てる上で非常に重要な情報源となります。
QRコードだけでは効果は見えない
QRコードを読み取るとURLにアクセスできる仕組みは便利ですが、どこからのアクセスかまでは分かりません。
例えば、同じページのQRコードをチラシ、ポスター、LINEメッセージにそれぞれ使った場合、どの媒体経由でアクセスされたかは分析できないのです。
つまり、どの施策が効果的だったか判断できないという問題が発生します。
ここで活躍するのが「キャンペーンパラメータ付きのURL」です。
QRコードはどこからアクセスされたかが見えづらい
QRコードだけでは、どこからアクセスされたかが見えづらいという問題があります。
QRコードは非常に便利なツールですが、印刷物やウェブサイトなど、様々な場所に掲載した場合、どの媒体からアクセスがあったのかを正確に把握することが難しい場合があります。
- アクセス元の特定が困難
- 効果測定が難しい
- 改善点が不明確
そのため、QRコードの効果を最大限に引き出すためには、アクセス解析を行う必要があります。
どの媒体からのアクセスが多いのか、どのキャンペーンが効果的なのかを把握することで、より効果的なマーケティング戦略を立てることが可能になります。
紙媒体やポスター、チラシで使ったときに「どの媒体が反応良かったのか」を知りたいニーズ
紙媒体やポスター、チラシの印刷物などを使った際に、どの媒体が効果的だったのかを知りたいというニーズは非常に重要です。
QRコードを設置した媒体ごとの効果測定を可能にするには、URLにキャンペーンパラメータを付与することが不可欠です。
- ポスター
- チラシ
- 雑誌広告
- ダイレクトメール
- イベント配布物
これらの要素をURLに組み込むことで、アクセス解析ツールで媒体ごとの効果を識別し、比較することが可能になります。
どの媒体からのアクセスが多いのか、コンバージョンに繋がりやすいのかを把握することで、より効果的なマーケティング戦略を立てることができます。
アクセス解析に必要な「キャンペーンパラメータ」とは?
QRコードを使ったアクセス解析で重要なのが「キャンペーンパラメータ」です。これは、どのQRコードからアクセスがあったのかを特定するための情報です。
Google アナリティクスでは、URLの末尾に特定のパラメータ(情報)を付与することで、アクセス元や媒体を区別して記録できます。
これを UTMパラメータ と呼びます。主に次の3つを指定します。
- utm_source(ソース)
- utm_medium(メディア)
- utm_campaign(キャンペーン)
各項目の名前の付け方のコツやルール例については、後ほど詳しく解説します。
Google アナリティクスで使用されるUTMパラメータの解説
Googleアナリティクスで使用されるUTMパラメータは、Webサイトへのトラフィックを追跡し、どのマーケティング活動が効果的かを把握するために非常に重要です。
トラフィックの発生元を示すutm_source、使用されたメディアの種類を示すutm_medium、特定のキャンペーンを識別するutm_campaignといった要素があります。
これらのパラメータを適切に設定することで、データに基づいたマーケティング戦略の最適化が可能になります。
utm_source(ソース)※Googleアナリティクスでは参照元
utm_sourceは、ユーザーの流入元となるサイトやプラットフォーム、配布物などを示します。
- flyer:チラシ
- magazine:雑誌
- line:LINE
- poster:ポスター
- dm:DM(ダイレクトメール)
- pamphlet:パンフレット
- business_card:名刺
これらの情報をGoogleアナリティクスで分析することで、どの媒体が最も効果的だったのかを把握し、今後のマーケティング戦略に役立てることができます。
utm_medium(メディア)
utm_mediumは、広告やリンクが掲載されたメディアの種類を特定するために使用されます。
これにより、どのメディアが最も効果的かを知ることができます。
- qr:QRコード経由のアクセス
- print:印刷物からのアクセス
- social:SNSからのアクセス
- cpc:広告からのアクセス
- email:メールからのアクセス
これらの情報を分析することで、どの媒体に注力すべきか、改善点はないかなどを判断し、より効果的なマーケティング戦略を立てることができます。
utm_campaign(キャンペーン)
utm_campaignは、どのキャンペーンからのアクセスかを判別し、効果測定に役立てます。
- spring_sale(春のセール)
- event_2025(イベント名)
- new_product_xxxxx(新商品xxxxxキャンペーン)
これらの情報を分析することで、どのキャンペーンが最も効果的だったのか、改善点は何かなどを把握し、今後の戦略に活かすことができます。
各項目の名前の付け方のコツとルール例(命名ルールを統一する大切さ)
各項目の名前の付け方のコツは、命名ルールを統一することです。
キャンペーンパラメータは、アクセス解析において非常に重要な役割を果たします。各項目に名前をつける際、一貫性がないとデータ分析時に混乱を招き、正確な効果測定が困難になります。
- 一貫性: チーム全体でルールを共有
- 明確性: 誰が見ても理解できる言葉を選ぶ
- 具体性: 抽象的な表現は避ける
- 簡潔性: 短く覚えやすい名前にする
- 統一性: 同じ意味の言葉は統一する
これらのポイントを踏まえ、命名ルールを統一することで、データ分析の効率と精度が向上し、より効果的なマーケティング戦略の策定に繋がります。
【実践】キャンペーンパラメータ付きURLの作成方法
Googleが提供するCampaign URL Builderを使えば、無料で簡単に作成できます。
例えば、https://bunkyudo.co.jp/?utm_source=flyer&utm_medium=qr&utm_campaign=event_2025(flyer:チラシ、qr:QRコード、event_2025:2025年のキャンペーンイベント)のように、どの媒体から、どんなキャンペーン経由でアクセスがあったのかを識別可能です。

作成時の注意点として、日本語の使用は避け、スペースを入れず、全て小文字で統一するなど、いくつかのルールがあります。
Google公式の Campaign URL Builder を使った作成方法
Campaign URL Builderを使うと、キャンペーンパラメータ付きURLを簡単に作成できます。
Campaign URL Builderは、Googleが提供する無料ツールで、ウェブサイトのURLにパラメータを付与することで、Googleアナリティクスでの効果測定を可能にします。
- ウェブサイトのURL
- キャンペーンのソース(参照元)
- キャンペーンのメディア
- キャンペーン名
これらの項目を入力することで、自動的にパラメータ付きURLが生成されます。生成されたURLをQRコードに埋め込むことで、どの媒体からアクセスがあったのかをGoogleアナリティクスで追跡できます。
これにより、チラシ、ポスター、雑誌広告など、オフラインのマーケティング施策の効果測定が容易になります。
注意点:日本語を使わない、スペースを避ける、全て小文字に統一 など
キャンペーン付きURLを作成する際、いくつかの注意点があります。
URL作成時の注意点を守らないと、効果測定が正しく行えなくなる可能性があります。
- 日本語を使わない
- スペースを避ける
- 全て小文字に統一
これらの注意点は、URLが正しく認識され、データが正確に収集されるために重要です。日本語やスペースは文字コードの影響で文字化けなどの問題を引き起こし、大文字と小文字の区別はGoogleアナリティクスのデータ集計に影響を与える可能性があります。
これらの注意点を守ることで、正確なアクセス解析が可能になり、キャンペーンの効果を最大限に引き出すことができます。
Google アナリティクスでの確認方法
Googleアナリティクスでは、GA4の管理画面からアクセス経路を確認できます(集客>トラフィック獲得)。

参照元/メディアやキャンペーン名で絞り込み、特定の参照元やキャンペーンの効果を詳細に分析可能です。
これにより、紙媒体やポスターなどオフライン施策の成果も数値として可視化できます。
GA4の管理画面でのアクセス経路の確認方法(集客>トラフィック獲得)
アクセス解析をGA4で確認する方法は、集客>トラフィック獲得から行います。
参照元、メディア、キャンペーンのアクセスを特定するには、GA4のトラフィック獲得レポートを活用します。このレポートでは、ユーザーがどこからサイトにアクセスしたかを確認できます。
- 「参照元」
- 「メディア」
- 「キャンペーン」
これらのディメンションを使用することで、キャンペーンパラメータを付与したQRコードが掲載された媒体やキャンペーンごとにデータを絞り込み、効果測定が可能です。オフライン施策の成果を可視化し、改善に繋げましょう。
紙媒体やポスターなどオフライン施策の成果が「数値」で見えるようになる
紙媒体やポスターなどオフライン施策の成果を「数値」で見えるようにするには、Googleアナリティクスを活用することが重要です。
オフライン施策の効果測定が難しいのは、QRコードからのアクセス経路が不明確になりがちだからです。しかし、Googleアナリティクスを用いることで、どの媒体から、どれくらいのアクセスがあったのかを可視化できます。
- 効果測定が困難
- アクセス経路不明確
- 改善点の特定が困難
これらの課題を解決することで、オフライン施策の効果を最大限に引き出すことが可能になります。Googleアナリティクスでデータ分析を行うことで、紙媒体やポスターといったオフライン施策の成果を「数値」で把握し、改善につなげることが重要です。
応用編:複数QRコードを使って効果比較
複数QRコードをA/Bテストのように活用し、効果測定を行う方法をご紹介します。
異なる「source」や「campaign」名で複数のQRコードを作成することで、チラシの表面と裏面、あるいは設置場所別に効果を比較できます。
データ分析を通して、どの施策がより効果的だったかを把握し、今後のマーケティング戦略に活かせるでしょう。具体的な活用方法については、下記で詳しく解説していきます。
A/Bテストのように、異なる「source」や「campaign」名で複数コードを作る
A/Bテストのように、異なる「source」や「campaign」名で複数コードを作ることで、QRコードの効果測定をより詳細に行えます。
複数コードを作成することで、各媒体やキャンペーンの効果を個別に把握できるからです。例えば、チラシの表面と裏面、あるいは異なる設置場所(駅前、スーパー、イベント会場など)でQRコードを分けることで、それぞれの効果を比較できます。
- チラシ表面 vs 裏面
- 設置場所別の効果測定
- 異なるキャッチコピーの効果
- 期間別の効果測定
これらのデータを基に、「どこが効果的だったか」を分析し、今後の施策に活かすことができます。効果測定をすることで、費用対効果の高い施策を見つけ出すことが可能になります。
例:チラシ表面 vs 裏面、設置場所別(駅前・スーパー・イベント会場)
チラシやポスターの効果を最大化するためには、設置場所ごとの効果測定が重要です。
QRコードを複数作成し、それぞれに異なるキャンペーンパラメータを設定することで、詳細な効果測定が可能になります。
例えば、チラシの表面と裏面、あるいは駅前、スーパー、イベント会場といった異なる設置場所ごとにQRコードを作成します。
- チラシ表面:デザインやキャッチコピーの効果測定
- チラシ裏面:情報量やレイアウトの効果測定
- 駅前:通行量の多さやターゲット層へのリーチ
- スーパー:購買意欲の高い層への訴求力
- イベント会場:特定のイベント参加者への訴求力
これらのデータを分析することで、どの媒体や場所が最も効果的だったかを把握し、データに基づいた改善を繰り返すことで、費用対効果の高い施策を実現しましょう。
データをもとに「どこが効果的だったか」を分析可能に
データをもとに「どこが効果的だったか」を分析可能にするには、複数QRコードの効果比較が重要です。
異なるQRコードを作成し、それぞれのアクセスデータを分析することで、どの媒体や場所が効果的だったかを把握できます。
- チラシの表面と裏面
- 異なる設置場所
- 期間ごとの効果測定
これらのデータを分析することで、費用対効果の高い施策を見つけ出し、改善に繋げることができます。
まとめ
QRコードにキャンペーンパラメータを付与し、無料ツールと組み合わせることで、誰でも簡単に効果分析が可能になります。
紙媒体などの印刷物やリアル施策といったオフラインの取り組みも、「見える数字」に変えることで、費用対効果を把握し、次回の施策改善に繋げることができます。
- 効果測定の実施
- 数値目標の設定
- 定期的な効果測定
- 改善策の実行
- 費用対効果の分析
これらのポイントを意識することで、施策の費用対効果を最大化し、より効果的なマーケティング活動を行うことができます。
最終的には、得られたデータをもとに次の施策を最適化し、費用対効果を向上させることが可能になります。