目次
はじめに
「Gemini CLIとExcel連携」実験シリーズ、いよいよ第3弾となりました!
第1弾では環境構築と基本的なファイル操作を、第2弾では厄介な外字(旧字)の取り扱いを試しました。
今回は、弊社で出しているExcelの記事の中でも、よく閲覧されている「○行おきの合計を求める関数の書き方」を題材としています。
通常ならSUMIF関数や配列数式など、少し高度な知識が必要なこの作業ですが、AIアシスタントに「いい感じに集計しといて」とお願いするだけで、乗り切れるのでしょうか?早速、実験スタートです!
実験準備:AIにサンプルデータを用意してもらう
まずはExcelファイルを作成
まずは、作業用のブックを新規作成するようにお願いしました。


https://bunkyudo.co.jp/excel-everyline/ 左記のURLのブログでやっている内容をこのExcel-mcpで実践できるかを試したいです。こちらのサイトのようなサンプルExcelシートを作成してデータを用意してもらえますか?
✦ はい、承知いたしました。指定されたURLのブログ記事で紹介されているような、一行おきに空白行を挿入する操作を試すためのサンプルExcelファイルを作成しますね。
まず、ブログ記事にあるようなデータを持つExcelファイルを作成します。ファイル名は bunkyudo_sample.xlsx とします。
✔ create_workbook (excel-server MCP Server) {“filepath”:”C:/Users/…./bunkyudo_sample.xlsx”}
Created workbook at C:/Users/…./bunkyudo_sample.xlsx

はい、あっという間に bunkyudo_sample.xlsx が生成されました。ここまではお手の物ですね。
サンプルデータを入力
続いて、この空っぽのファイルにデータを書き込んでもらいます。
✦ 承知いたしました。Excelファイル bunkyudo_sample.xlsx を作成しました。
次に、このファイルにデータを書き込みます。ブログ記事の例に倣って、「商品名」「単価」「数量」「金額」の列を持つ「売上」シ
ートを作成し、サンプルデータを入力します。
✔ write_data_to_excel (excel-server MCP Server) {“sheet_name”:”売上”,”filepath”:”C:/Users/…
Data written to 売上

無事に「売上」シートが作成され、データが入力されました。

データ量を増やして、より実践的に
AIが作ってくれたデータを確認したところ、5行しかありませんでした。これでは集計のテストとしては少し物足りません。そこで、データ量を増やすよう追加でお願いしてみました。


ありがとうございます。5行だとやや少ないので15行用意できますか?
✦ かしこまりました。サンプルデータを15行に増やしますね。先ほどのファイルに上書きします。
✔ write_data_to_excel (excel-server MCP Server) {“data”:[[“商品名”,”単価”,”数量”,”金額”],[“商品A”,100,10,1000],[“商品B”,2
Data written to 売上
✦ はい、15行のサンプルデータに更新しました。

素晴らしいですね!こちらの曖昧な「増やして」という指示を汲み取り、既存のファイルにデータを上書きしてくれました。このような柔軟な対話が可能なのが、生成AIを使う大きなメリットです。
これで準備が整いました。現在のExcelシートはこのようになっています。

本題:自然言語で「N行おきの合計」を算出する
ここからが本番です。準備した売上データを使って、「2行ごと」「3行ごと」「4行ごと」の金額合計を、AIへの指示だけで算出してもらいます。
やりたいことを日本語でそのまま伝える
Excelでやろうとすると少し身構えてしまうこの作業。果たしてAIは理解してくれるのでしょうか。考えうる限り、自然な日本語で、やってほしいことを一度にまとめてお願いしてみました。


ありがとうございます。それでは続いてF1に「2行ごと」という文字列を入れて、G1に2行ごとの合計金額を計算してください。また、F2に「3行ごと」という文字列を入れて、G2に3行ごとの合計金額を計算して、F3に「4行ごと」という文字列を入れて、G3に4行ごとの合計金額を計算してください。
AIの思考プロセス①:ラベルの入力
✦ はい、承知いたしました。指定された内容でExcelファイルを更新します。
まず、F列に「2行ごと」「3行ごと」「4行ごと」の文字列を入力します。
✔ write_data_to_excel (excel-server MCP Server) {“sheet_name”:”売上”,”start_cell”:”F1″,”filepath”:”C:/Users/…
Data written to 売上

複雑な命令を一度に処理するのではなく、まずは簡単なテキスト入力から着実にこなしていくあたり、堅実な仕事ぶりです。
AIの思考プロセス②:数式の自動生成と適用
✦ 次に、G1、G2、G3セルにそれぞれ2行ごと、3行ごと、4行ごとの合計金額を計算する数式を入力します。
✔ apply_formula (excel-server MCP Server) {“formula”:”=SUM(D2,D4,D6,D8,D10,D12,D14)”,”sheet_name”:”売上”,”cell”:”G1″,”fil…
Applied formula ‘=SUM(D2,D4,D6,D8,D10,D12,D14)’ to cell G1
✔ apply_formula (excel-server MCP Server) {“sheet_name”:”売上”,”filepath”:”C:/Users/…
Applied formula ‘=SUM(D2,D5,D8,D11,D14)’ to cell G2
✔ apply_formula (excel-server MCP Server) {“filepath”:”C:/Users/…
Applied formula ‘=SUM(D2,D6,D10,D14)’ to cell G3
✦ はい、指定された計算を実行し、結果をG1、G2、G3セルにそれぞれ入力しました。

実際のファイルが下図のとおりです。

「3行ごと」と「4行ごと」はうまくできたのですが、なぜか「2行ごと」だけ最後の商品を無視しています。
ほぼ完ぺきに見えましたが、まだ人間が確認する必要はありそうですね。
結果の確認とまとめ
かなり実践で使えるように見えますが、まだまだ完璧ではないのがわかりました。
ですが、近い将来、数式の構文を思い出したり、対象セルを一つひとつクリックしたりする手間は、もう必要ないのかもしれません。これは、Excel作業のあり方を根本から変える大きな可能性を秘めています。
このGemini CLIとExcelの連携、まだまだ奥が深そうです。今後も様々な活用法を探っていきますので、ぜひ次回の記事もお楽しみに!
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